Masker in the Dark Night

アメリカのとある街・・・ ビルの屋上から一人の男が街を見下ろす・・・
男の名は”本郷 猛”、またの名を”仮面ライダー”・・・


数日前、立花籐兵衛の下に手紙が届いた。 差出人は”滝”と言う男、
本郷がショッカーとの闘いの中で出会ったFBI捜査官だ。


手紙の内容はFBI捜査によって入手した「ショッカー・アメリ支部による
ノロボット散布計画」の情報だった。 本郷は一文字隼人と風見志郎に日本
を託し、単身渡米してきたのだ。




滝の情報に沿って”街”に足を踏み入れた本郷だが、滝は別件の潜入捜査で
すぐに合流する事が出来なかった。 今は単独でショッカーの潜伏場所を
調べるしかない・・・ 夜の街をビルから見下ろす本郷・・・ 街にはびこる
”闇の面”が見え隠れする・・・


この街の犯罪発生率はアメリカの中でもトップクラス、古くからギャング達の
抗争が絶えず、警察、検事、議院・・・一部の権力者は汚職にまみれ、犯罪が
耐えない日は無い・・・ ”犯罪都市”とも呼べるこの街ならショッカーが
潜伏するのも容易だろう。 本郷は慎重に、街の闇に五感を研ぎ澄ます・・・


ふと、街の様子が変わった・・・ さっきまで闇にひしめいていた殺気が一気
に減っていったのだ。 「何が起きたんだ・・・?」 本郷がふと夜空を見上げ
たその時、彼の目に異様な光景が飛び込んできた・・・




闇夜に照らされた大きなサーチライト、その中央には何かシルエットが映し出され
ている・・・ 「あれは・・・蝙蝠・・・か??」 そう、そのシルエットは翼を
広げた蝙蝠に見える。 何かのサインか?だとしたら・・・誰が!?


「まさか・・・ショッカー?」 本郷は光の角度とインプットした街の地図情報を
照らし合わせて光源をたどってみた。 「・・・あの方角、場所は・・・市警察だと?」
「どうやらショッカーの仕業ではなさそうだ・・・だが一体・・・??」


次の瞬間、本郷は下の方で、今までとはハッキリ違う、怪しげな気配を感じ取った。
「あれは・・・見つけたぞ! トゥ!!」 本郷はビルから一気に飛び上がり、
気配のする方へと急いだ・・・


謎のシグナル・サインは未だ煌々と夜空に浮かび上がっている・・・
この街・・・ゴッサムの夜は始まったばかりである・・・